«前の日記(2009-12-03 [木]) 最新 次の日記(2009-12-22 [火])» 編集
RSS: href="http://endoh-namazu.tierra.ne.jp/diary/index.rdf"


半期 四半期 全カテゴリ

新・なまず日記


2009-12-08 [火]

_ [その他] 中央フリーウェイはリヴァースフリー




中央ドリームバス。
中央自動車道を通る夜行バスだから、中央ドリームバス



東京の実父が入院した。
オイラもアナゴ姉も、関西で暮らしているので、こういう時になにもできない。
両親から、子供は須らく自立すべし、という教育を受けた、と思ってる。
だから何も考えずに関西に出てきてしまったんだが、世間じゃそれをオヤフコーと呼ぶ、ということに、父が入院して初めて気がついた。



せめて、連休がある時くらいは、東京に帰ろう、とアナゴ姉と相談した。毎回新幹線ではお金も時間もキツいので、少しでも効率を上げるため、夜行バスを利用することにした。

手配はアナゴ姉がやってくれた。それが、オイラが乗った中央ドリームバス。アナゴ姉もこれに乗るはずだったんだが、仕事の都合がつかず、オイラだけが乗ることになった。




旅行は好きなほうである。まして、初めて乗る交通機関は胸が躍る。特に、中央ドリームはたったの3列シート、思いっきりリクライニングできて朝までグッスリ、と、Webサイトには書いてある。ちょっとした小旅行気分に期待が高まる。

梅田駅22:50分。鼻唄気分で、缶ビール片手に、バスに乗り込んだ。


なんか、臭い...。オヤジの加齢臭にオヤジのポマード、それにタバコの匂いが入り混じったような、なんつーか、新橋の駅前のような匂いが、ムワっとたち込めている。

バスの中を見渡してみると、オイラのようなダラケた気分の客は一人もいない。一秒でも多く、睡眠を取り、明日の仕事に備えなければ!オレの睡眠を邪魔する奴は殺す!とでもいいたげな、気迫のこもったオヤジがビッシリと席を占めている。出発前だというのに、早々と、持参の空気枕とアイマスク、耳栓、マスクを完全装着、リクライニングは最大限で、睡魔を呼び寄せる呪文でも唱えているかのようだ。

考えてみれば、旅費を浮かせたいがための、夜行バスなのである。この不景気、出張原則禁止、なんて会社も多い中、それでも関西関東を往復しなければならない。そんな連中が、すこしでも費用を浮かせるために利用するのが、夜行バスなのである。いってみれば、プロ御用達。さっきまで仕事やってました。明日も朝一から会議です。そんな疲労を滲ませた中年サラリーマンを詰め込んだ中央ドリームバス。ムワっと来るオヤジ臭は、日本を支える彼らの、「なにか」を象徴しているように思える。なにか?...気迫だったり、哀愁だったり、ペーソスだったり...

バスは既に動き出した。電気も消された。場違いな気分になったオイラは、なるたけ音をたてないように、缶ビールの栓を開けて、ジュルジュルと中身を啜る。観光気分はどこかに消えうせ、オイラもさっさと眠りにつかないと、という気分がする。しかし、立ち込めるオヤジ臭はいかんともしがたい。ビールを半分残し、マスクをした。隣にアナゴ姉がいりゃぁ、この状況もギャグにできるのにな。しかし、アナゴ姉が座るはずだった右隣の席は、完全睡眠装備のサラリーマン...おっと、こいつはブルーカラーのようだ。さっきまで、ビルの内装やってました、という感じの作業着姿で、空気枕にマスクを付け、リクライニングした椅子の背中に体をまかせている。




アナゴ姉に、携帯から、「状況報告」のメール(なんかこのバス臭い、とか)を打って、ふと右の席をみると、さっきまで、上をむいて寝ていたはずの作業着姿のオヤジが、体をエビのように折り曲げ、左腕で前の席の背をつかみながら、下を向いている。薄暗いバスの中で、右耳からはずした白いマスクが、左耳からぶらさがり、ユラユラ揺れている。どうしたんだろう...

と、突然、ガホッ!と喉が鳴る音がしたと思ったら、ビチャビチャビチャ...と液体がこぼれる音が響いた。え!まさか、オヤジ、ゲロ吐いた!?頭に疑問符が浮かんだ次の瞬間、「はい、そうですよ」と言わんばかりに、ゲロ臭が強く鼻を打った。

おいおい、冗談じゃないぜ!あまりのことに体が硬直するが、薄暗くて状況がよくわからん。ゲロオヤジのさらに右隣のスーツの男に目をやると、男もやはり体を硬直させたまま、視線だけがゲロオヤジの上から下を往復していた。その視線の往復運動に、「なんなんだよこのオヤジ!」という男の魂の叫びを聞いた。


たっぷり十秒程度、バス進行方向向かって左からオレ、ゲロ男、スーツ男は、彫刻のように、運動を止めた。そのうち、ゲロ男がモゾモゾと動き、ユラーリと、何事もなかったかの様に立ち上がり、階下のトイレに消えていった。

オレとスーツ男は、はあわてて、現場検証を始めた。「被害状況」が知りたかったのである。薄暗くてよくわからなかったが、床に多少の飛沫の後がある程度で、ビチャビチャビチャという音の割には、意外と残留物が少ない。オヤジがうまくキャッチしたのだろうか?今となっては真相はわからない。とにかく、掃除が必要そうな状況ではなかった。

それにしても、ゲロオヤジのフリーダムぶりは素晴らしいものがある。ゲロ吐いて、それがどうした、といわんばかりに、こちらには一瞥もくれない。まるでこの世の王のようだ。アイム、フリー。フリーダムな男は便所にこもったまま。

オヤジがいなくなって、少し広くなった右隣に、気持ちが楽になったオレは、少し眠気に襲われた。ウトウトしながら、フリーという言葉が、連想記憶をひっぱりだすのを感じた。フリー、中央道。「中央フリーウェイ」。荒井由美のヒット曲である。「彼氏と中央道飛ばしたら滑走路みたいでステキー」というアホみたいな唄だが、現状とのギャップに思わず苦笑した。おいおいユーミンよぉ、フリーはフリーでも、こっちはゲロフリーだぜ。滑走路どころか、大衆酒場の便所の隣って感じだけどな。



尿意を感じて目を覚ました。ビールなんか飲まなきゃよかったとやや後悔した。トイレに行こうと立ち上がりかけると、ゲロオヤジの席が空なのに気が付いた。時計を見たら、ゲロ事件から既に1時間以上経過している。すると、オヤジは1時間以上も便所にこもったままか!?

果たして、便所には鍵がかかっている。こちらの尿意の都合もあるので、ノックをするが、返事がない。状況からすると、オヤジは便所でゲロの残りを排出し、そのままそこで寝込んでしまった可能性が高い。激しくしつこくノックし続けること五分以上。ようやく、ドアがあき、またもや、ユラーリとトイレから出てきたオヤジは、すーっと階段をのぼり、席についたと思ったら、今度はすさまじいイビキ音を発し始めた。タマラーン!


サービスエリアでの休憩時に、あわてて自衛のために、空気枕とアイマスクを購入した。耳栓も欲しかったが売り切れだ。代わりにイヤホンを耳に突っ込んで、夜行バスで睡眠を取ることは戦いであるとの認識を新たにした。そして、次にウトウトするまで、ユーミンのあの唄が頭の中でなり続けたのである。


♪中央フリーウェイ
♪右に見えるゲロオヤジ
♪下にはゲロの飛沫
♪眠れない夜はまだ続く
♪匂いも続く



本日のツッコミ(全6件) [ツッコミを入れる]
_ 遠藤なまず (2009-12-19 [土] 21:39)

あのですね、このエントリに、google検索で「体からゲロ臭」という検索ワードで来られたかたがおられましたものですから、オイラも「体からゲロ臭」で検索したですよ。 <br>他人のことは言えませんが、ヒデェ下品なサイトだらけでビックリしましたよ。 <br>オイラのところは8番めですから、まだマシなほうかしら。 <br>3番目の「ゲロの臭さは異常」という掲示板サイトはサイテー。 <br> <br>52 名前: しょうが(山形県) mailto:sage [2008/11/15(土) 22:28:52.36 ID:3DzNpMOs] <br> スカトロプレイはメジャーだけどゲロプレイとか聞かないし <br> うんこの勝ちだろ <br> <br>54 名前: 大葉(東京都) mailto:sage [2008/11/15(土) 22:29:46.07 ID:bh424sMb] <br> 確かにゲロは10m離れれば、大丈夫だがうんこの臭いは余裕で漂ってるからね <br> <br>→いや、勝ちとか負けとかいう問題じゃないし。なにサワヤカに「うんこの勝ちだろ」とかいってんの? <br> <br> <br>64 名前: ガザミ(山口県) [2008/11/15(土) 22:32:51.77 ID:+ejAcAU4] <br> 飲み会で女の子が吐いたゲロを誰もやらないなか積極的に掃除してやったらすげーチヤホヤされた <br> 嫌われるかと思ったけど <br> まあ糞臭かったが <br> <br>→それ、モテるのかね?モテるんだったら、捨て身でやりますよ。 <br> <br>80 名前: メバル(新潟・東北) [2008/11/15(土) 22:36:53.05 ID:2Mq4cOyF] <br> 聖水をスカトロのカテゴリーから外すべき <br> シッコがゲロとウンコと同類なんてどう考えてもおかしいだろ <br> <br>→だからさ、同類とか同類じゃないとか、そういう問題じゃないだろ!なにが「外すべき」だよ。 <br>英語で言えば、"聖水 should be except from the category of スカトロ"かよ。それで通じるとでも思ってるのかよ。

_ 遠藤なまず (2009-12-19 [土] 21:41)

あ、しまった。exceptじゃなくて、exceptedか。まぁどうでもいいや。

_ 遠藤なまず (2009-12-29 [火] 22:04)

ipodtouchを借りたので、ためしうちです。

_ 遠藤アナゴ (2010-01-05 [火] 13:28)

あけおめことよろです。「こ」と「と」にスペース入れるのが正解です。    <br>あー、本流以外の話題はたしかに誰もつっこまないねえ。なんだか寒いんでお姉ちゃんが登場しようかね。・・これって昔、オトコの電話真剣に待ってたら、遠くに暮らしてるオカンが脳天気に「げんきい?」って、要らん電話かけてくる、みたいな腹立つ状況に似てる?  まあいいや。アナゴは正月に黄色いハンカチみて改めて山田洋次をスゴイと思い、こっち帰ってから2本見た。「遥かなる山の呼び声」「家族」。どちらも主人公が倍賞千恵子がやってる民子というんで、民子3部作といわれるうちの2本なんだけどね、あのねー。スゴイよすごい。山田洋次。「遥かなる・・・」、のほうは、健さん出てくる山田映画として王道をいく、非の打ち所ない秀逸な作品なんだけど、「家族」、コレ、すごい。70年代に、長崎の家族5人、事情があって北海道まで列車で旅するロードムービー。映画っていうジャンルをこえてる山田洋次爆裂映像だ。暗くてせつなくてあたたかい。近いうちにぜひ見て。その直後に「遥かなる・・・」を見て、明るい気持ちを取り戻すことが必須だからおぼえておいて。 <br>

_ 遠藤なまず (2010-01-05 [火] 15:32)

アナゴ姉さん、ツッコミうれしかぁ。 <br> <br>ばってん、俺どんのブログ、マイナーったいね。コメントつかんごとば、もう慣れたとたい。 <br>しかも、こいばエントリ、黄金聖水ゲロまみればってん、誰もツッコミば入れんとは当たり前やなかか。 <br> <br>家族ば映画、すごうおもしろかごとある。ばってん、天城越えも見てみたか。田中裕子が聖水ばお漏らしするとこ思うと股間が熱くなるったい。

_ 遠藤アナゴ (2010-01-06 [水] 13:02)

都会ば出たら博多弁しゃべらんいうとったやなかか? <br>まあよか。家族ば映画、倍賞千恵子も笠智衆も、博多弁ばしゃべりよるたいね。笠智衆が大阪駅前のレストランでビールば飲んで「あーうまかー、疲れがすうっと引くごとある」ばセリフ言うったい。たまらんったい。さっさと田中裕子の盛水ば見て、家族みるったい。予告編ばみたらいけんぞ。なーにも入れんと、素でいくたい。胸があつかごとなるけん、ごっつ、たまらんたい。

[]