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新・なまず日記


2006-09-26 [火]

_ [旅行]ナポリのフィギュア通り

両親の金婚式の記念に、イタリアに観光に行って来たわけです。いやあ、よかったですよぉ、特にナポリ!明るい陽光とカラっとした空気、それから食べ物が、ナニ食べてもおいしくて...タマランカッタなぁ!

食べ物と言えば、イタリア語の辞書を準備してUX50に入れていったんですけど、非常に役に立ちましたよ。メニューに書いてあるこれってナニ?なんて時とかに、とっさに検索して、あ、生ハムか、みたいな。苦労した甲斐があったと大満足です。

プレセピオ通り(朝なので人気がない) ジオラマ さて、今回は、ナポリのプレセピオ通りをご紹介します。イタリアでは、クリスマスのことをナターレというらしいですが、その時に、クリスマスツリーを飾る代わりに*1、キリスト様のご生誕の場面を再現する人形(プレセピオ)を飾る習慣があるのだそうです。今の日本の模型ヲタクの言葉を借りれば、フィギュア(人形)を並べてジオラマを作る、といったところでしょうか。ジオラマは大体岩山を表現したもので、岩屋の一つで今まさにキリスト様がお生まれになり、その周りで当時の庶民の生活を再現する、と言った感じに作るみたい。ジオラマの大きさは、1mくらいのものから、大きいのになると2m、3m位のものもあり、これを、家族総出で、何ヶ月もかかってこしらえるのだそうです。いいですねぇ、パパもママもボクも、何ヶ月もあーでもない、こーでもないとフィギュア遊びをするなんて。

ご生誕 日本では、たまたまある性犯罪者が萌えフィギュアコレクターだったばっかりにフィギュア遊びの風当たりが強くなって、大谷昭宏というジャーナリストなんかは、フィギュア遊びをする奴はフィギュア萌え族で性犯罪を犯す確率が高い!と断言しておりますが、まさか、大谷先生、イタリア人全員が性犯罪者ってことはないよね!

ハバネロたん(ネットランナーのおまけ) さて、たとえばハバネロたんのフィギュアが、単なる造形物という以外に、シガタケさんが書いた、ハバネロたんの生活を描写したバックストーリーマンガを持つのと同じで、プレセピオにだって、バックストーリー本があるのですね。マタイさんや、ヨハネさんって人が皆で書いた同人誌で、聖書って言う、結構有名な本なんですけど(笑)

バックストーリーを知らない人がフィギュアを見たって、なに?この変な人形?となるのが落ちで、かくいうなまずも、聖書はハバネロたん4コマより知らないから、プレセピオをみても、わからないことだらけでしたよ。

例えば、あるプレセピオ屋で、3つで8ユーロの人形がありました。ラクダにのったアラブの王様のような人形で、こんなの3つもいらないけどなぁ、と思っていたのですが、後で調べてみると、キリスト様のご誕生の際に、 「東方の3博士」という連中がやってきて、お祝いをした、というストーリーがあって、なるほど、あのアラブの王様のような人形は実は博士で、3人揃わないと、ストーリー上意味がないというフィギュアだったんだと合点がいきました。だから、3つで8ユーロ。こんな感じで、バックストーリーが理解できてないと、なにを売っているのかも理解できない。

びっしり プレセピオ屋にびっしりと並ぶ、多種多様な人形を見ながら、それが、単なるおかしな人形にしか見えないオイラと、その一つ一つに生き生きとしたストーリーを見いだせるイタリア人とに横たわるは、男と女の間にある深くて暗い川(from"黒の舟歌" by 野坂昭如)並に深いものがあって、いってみりゃ、それこそが文化(の違い)って奴。でも、この溝がおもしろいんであって、だからこそ、旅をする意味があるわけですよ。溝がなくなっちゃったら、世界はホントつまんないよ。それはオタクに対してだって同じこと。オイラだって、ある種のヲタの皆さんの嗜好はまったく理解できないってこともあるけど、それがおもしろいんじゃない。*2

おみやげ人形 というわけで、ほんとのところの意味はわからないにしても、それをいろいろ勝手に想像してみるのも旅の醍醐味。なまずも沢山プレセピオ人形を買って来て、パソコンの前に並べて毎日眺めています。こいつら、キリスト様のご生誕にいったいどうカラむんだろう、なんて考えながらね。....しかし、一つだけ、どう考えてもストーリーが理解できない人形があります。それがこいつだ!


ウンチ人形(前)
ウンチ人形(後)

野糞タレてます!おまえ、キリスト様のご生誕の時に、いったいなにやってるんだよ!このわかんなさ加減、これが文化!だから旅はやめられない!



*1最近ではツリー派も増えてきたという話ですが。

*2フィギュアに限らず、オタクの世界は大概、井戸の底のように深い「知の体系」を持つもので、表面に現れた「形」は、氷山の一角のように、膨大なバックストーリー(設定)のごく一部の表現に過ぎないと思うのですよ。もともと、わかる奴だけがわかる、という世界なのですから。わかる奴だけわかる、ってのは、つまり、そのバックストーリーを共有している奴だけわかるってこと。だけどこれって、オタクの世界だけじゃなくて、よその国の風俗習慣についても、よくある話ですよね。日本の神話体系の、例えば八百万の神様なんていうバックストーリーを知らなかったら、やたらと祠がある日本の風景は理解できないでしょう。つまり、バックストーリーを共有しているということが、文化ってことなんですよ。
例えば、日本の神話を知らない西洋人が、カミサマだらけの日本の風景を見て、「日本人は自分の都合で神をつくる。ご都合主義で信用できない」とか言い出したら、バカヤロウって言いたくなりますよね。 背後にあるストーリー(=文化)を理解することなく、表層だけで、よその国の風習を批判することは、とても恥ずかしいことだ。やられたくもないし、やりたくもない。それなのに、なぜか、オタクに対しては、恥ずかしげもなくそういうことをやるんだよな。大谷先生みたいに。ハッキリ言っとくが、他所の国に対しても、オタクに対しても、表層だけの批判は、差別や偏見だ。だからそれはとても恥ずかしいことだぞ!



おまけ(プレセピオギャラリー)

お肉屋さん
おいしそうなお肉!



ご生誕
ご生誕!ご生誕!ご生誕!



ぞろぞろぞろぞろ
YMOの「増殖」というレコードのジャケ写みたい(平成生まれにはわかんないよね)



人体パーツ人体パーツ
自作派の方のためのパーツ。ちょっとグロテスク。



バラバラ死体
手のパーツ。もっとグロテスク。



ジタンの頭突き人形
これはキリスト様とは関係ないだろう、ジタンの頭突き人形。

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