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新・なまず日記


2005-08-12 [金]

_ [その他]キーボード派の論理と情熱

「マウスはカエルだ」というコラムを、15年くらい前に読んだことがあります。なにかのパソコン雑誌だったと思うのですが、詳細は忘れてしまいました。...ああ、あの形は、確かにネズミというよりは、カエルだよね...と、いう話ではありません。

ながいこと、コンピュータのインターフェースは、キーボードによる文字ベースのもの(キャラクタユーザインタフェース。CUI)でした。それが、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)とマウスにより、革命的な変化を遂げたのですが、なまずが読んだコラムでは、そのことを、「魚類が両生類に進化して地上で暮らせるようになったくらいの革新」と評価していました。しかし、一方で、「せっかくキーボードという水の中からマウスという陸にでてこれたのに、文字入力の必要が出ると、たちまちキーボードへ戻らなければならない。まるで、水中の天敵を逃れて陸に上がったはいいが、体が乾くのであわてて水に戻るカエルのようではないか。両生類がは虫類、鳥類、ほ乳類と進化したように、コンピュータインタフェースも、マウスで満足するのではなく、もっともっと進化しなければならない」と結んでいました。

15年前といえば、ようやくMacの革新的なGUIが社会的に認知されてきた頃であり、その優位性が高く評価されていたものです。その時代に、GUIのさらなる進化が必要と批判をしたこのコラムの先見性に、なまずは深く感銘を受けたものです。

それから15年たちましたが、GUIは本質的にはなにも変わってはいません。あいかわらず、マウスはカエルのままのようです。今後も、そう簡単には、マウス以上の革新的なインターフェースが生まれることはないでしょう。

最近、コンピュータインタフェースにこだわりのある人たちの間で、マウス派とか、キーボード派といった言葉がよく聞かれるようになりました。マウスとキーボードをいったり来たりするのではなく、なるべくマウスだけ、あるいはなるべくキーボードだけで、コンピュータを操作しようという取り組みのことです。これらは、いつまでもカエルのままのインタフェースを、なるたけ水から出ないカエル、もしくは、なるたけ水に戻らないカエルに育て上げ、現状の課題を少しでも改善しようという試みといえるでしょう。

なまずは、自分がキーボード派であると思っています。マウス操作の利点を否定するものではありませんが、キーボードに置いた手を、出来るだけ離したくないと思っていますし、そのための努力は決して惜しみません。AutoHotkeyによるキーバインドのカスタマイズも、まさに「水から出なくていいカエル」を育てるために、必須の行為であると言えます。

キーボード派の利点を、一つだけ挙げるとするならば、「インタフェースの習熟度を向上できる」ということに尽きると思います。例えば、Excelなどの作業中に、ファイルを上書き保存する時のことを考えてみましょう。通常のマウスをつかったGUIでは、マウスでメニューの"ファイル"をクリックし、さらに"上書き保存"をクリックすることで行います。この方法は、ファイル保存のコマンドを覚えなくても実施できるので、初心者に易しいという利点があります。しかし、ファイルを保存することに慣れてきても、それ以上、操作性が向上しないという欠点もあります。つまり、ファイルをセーブするというコマンドを選択するのに、

  1. 目で、メニューの"ファイル"の位置を確認

  2. マウスを操作し、目で、マウスの動きをフィードバックしながらマウスカーソルを"ファイル"メニューまで持っていく
  3. 目で、マウスカーソルが"ファイル"の位置にあることを確認して、クリック
  4. 目で、ポップアップしたメニューの中の"上書き保存"の位置を確認し、マウスの動きをフィードバックしながらマウスカーソルを"上書き保存"メニューまで持っていく
  5. 目で、マウスカーソルが"上書き保存"の位置にあることを確認して、クリック

という手順を踏まないといけません。何度この操作を繰り返しても、必ず目で確認しなければならないので、それ以上習熟度が上げられません。このため、いつまでたっても、単なるコマンドの選択に、脳の視覚処理部がフル動員されてしまい、思考が中断してしまう。これがマウスによるGUIの欠点です。

上記のコマンド選択は、Windows標準のショートカットがあるので、キーボードだけで行えます。大概のアプリでは、Ctrl-s(Ctrlキーを押しながらs)です。このやり方は、最初にこのキー操作を覚えなければならないとい欠点はありますが、何度も操作しているうちに、徐々に、指がこのキー操作を覚えてしまう、という利点があります。こうなると、ファイルをセーブしなくちゃ、と思ったとたん、指が勝手にCtrl-sをタイプするようになります。そのとき、脳の中には、Ctrl-sをおさなきゃ、という事さえも浮かばないようになります。つまり、コマンド選択のための脳の負荷は最低限に抑えられ、思考が中断せず、快適にコンピュータが使えるようになる、と言うわけです。これこそが、キーボード派の最大の利点です。キーボード派は、単にキーボードから手を離してマウスを探す手間を問題にしているのではありません。その究極の目的は、脳とコンピュータの一体化、コンピュータを使っているということを意識せずにコンピュータを使う、思考を中断せずに作業に没頭する、と言うことなのです。

もっとも、この考えは、マウス派の方々も同様だと思います。マウス派の方が工夫するのは、マウスジェスチャ - マウスを任意の場所で横縦斜めに動かすことによって、コマンド発行をおこなおうというもの - なのですが、これも、メニューを選択してクリック、などという、視覚処理部の動作が必要で脳に負担がかかるコマンド選択法を排除して、無意識のコマンド選択を実現しようということに他なりません。つまり、キーボード派も、マウス派も、目指すところは同じで、ただその実現の仕方が異なる、ということなのです。

現在のコンピュータインタフェースはそう簡単には変わらないと思いますが、現状でも、工夫しだいで、もっとコンピュータは使いやすくなると思います。なまずは、AHKや各種ツールを導入することで、すこしずつ、マウスを使わずにキーボードだけで出来ることを広げています。そうして増やしたキーボードコマンドが、知らないうちに指が覚えていき、いつしか、脳を使わずにコマンドが出せている自分に気づく。この瞬間は、なんとも言えずうれしいもので、キーボード派の醍醐味といえます。コンピュータが、手に馴染んでいくような感覚。これが楽しくて毎日パソコンをいじっているのだなあと思う今日この頃です。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
_ やまやす (2005-08-11 [木] 11:11)

Excelは標準でもAlt F Aで「上書き保存」を選択出来ますぜ...<br>で、ファイル名を入力して、二回tabを押せば「保存(S)」の<br>ボタンがフォーカスされるので、そのままリターンキーでオッケー。<br><br>完璧じゃないけど、Windowsは素のままで結構キー操作できます。:-)

_ なまず (2005-08-12 [金] 06:59)

やまやすさん、コメントありがとう。<br>わかりにくくてごめんなさい、今回の話は、なまずがカスタマイズしてどうこう、という話ではなくて、一般的なキーボード派としてのスタンスの話をしたかったのです。まったくの素の環境でも、Ctrl-sで、上書き保存はできます。そこで、マウスを使うのか、キーボードを使うのか、という話がしたかったのです。<br><br>なまず自身は、実際には、emacsに合わせるために、AHKで、Ctrl-x Ctrl-sで、Ctrl-sが出るようにカスタマイズしているのですが、その辺のノウハウはまた今度しようと思います(こんな変なカスタマイズ、知りたい人いるのかわからないけど)。

_ Lpzkzjym (2010-02-26 [金] 06:18)

wEqbBs この間も俊太郎の詩をお http://www.stlouisbusinesslist.com/business/5021837.htm?info=viagra viagra, 7888310475,

_ viagra (2010-03-08 [月] 10:57)

この間も俊太郎の詩をお http://www.stlouisbusinesslist.com/business/5021837.htm?info=viagra viagra 8-)))

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