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新・なまず日記


2005-04-25 [月]

_ [映画]フォーン・ブース

フォーン・ブース

ジョエル・シューマカー
2002年
アメリカ

芸能雑誌の編集長のステューは、浮気相手に電話をするのに、わざわざ公衆電話を使う男(携帯だと、通話履歴が残るので)。抜け目はないが、嘘はつくし、不誠実だし、自分の利益のためには平気で人を利用しようとするイヤな奴。今日も街中の電話ボックスに入ると、何故か目の前の電話が鳴り出して、思わずとってしまうと、謎の男の声が...「電話を切ると殺す!」ステューの悪夢の一日はここから始まった...というお話。

(ネタバレ防止のための改行)






































































なまずの評価 68点

限定された状況を逆手にとった一流のサスペンス。しかしラストは...

ニューヨークの路地にポツンと置かれた電話ボックス。そこからカメラは一歩も動きません。最初から最後まで、舞台は電話ボックスのみ。だって電話を切ったら殺されちゃう!まずこの思い切りのいいシナリオに拍手。 電話を切ったら殺すぞ! それで退屈かというと、まったくそんなことない。謎の電話の声に翻弄され、おいつめられ、汗びっしょりかきながら奮闘する主人公の姿。それをこっそり覗きみながらサディスティックな要求をつきつける犯人。非常にスリリングでおもしろいです。

もちろんステューはただおびえているわけではありません。隠しもった携帯で連絡しようとしたり、駆けつけた刑事に事情を説明しようとしたりします。 カンベンして〜 しかし犯人の方が一枚上手。無関係のポンビキを殺し、その罪をステューになすりつけます。「銃も持ってないのに殺せるわけないだろ?」とステュー。すると犯人、「電話ボックスの天井を探ってみろ」そこにはあらかじめ銃が!たまらない!おかげで警察には「人を殺した後に電話をかけ続けるサイコ野郎」と思われて言い訳もできません。天井を探ってみろ

ガンジガラメになっていくステューを、謎の犯人は、まるで死にかけのネズミをいたぶるネコのようにじわじわと責め続けます。いったい犯人の狙いは?金か?恨みか?これがまったくわからない。ステューは犯人への説得を続けますが、糸口がつかめないまま、緊張はやがてピークに達します。さぁどんな結末がまっているのか!

...ここまではまったく傑作といっていいほどいい出来だったのですが、この映画、ラストがホントにいただけない。最後、ステューは犯人の執拗な責めに根負けし、いままでの調子よく要領のいい人生を泣いて懺悔することになるのですが、どうも、それで犯人は満足してくれたようなのです。なに?じゃぁ犯人の目的は、心からの反省を促すこと?そんなオチかよとガッカリです。こんなにスリリングでおもしろい展開があったんだから、それに立ち向かえるだけのドラマチックな結末が絶対必要でした。それが無理なら、むしろ犯人を人心では理解不能な本物のサディストにして、オチなんかなくして徹底的に不条理にしたほうがまだ納得できる。ステューの人間性の回復、なんて、そんなオチじゃぁねぇ。道徳劇なんて、今時、ダサいよ。残念です。でも、中盤は本当におもしろかったので、一応合格で、点数は68点。

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