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新・なまず日記


2005-04-23 [土]

_ [映画]爆裂都市



石井聰亙
1982年
日本

とある埋め立て地は一種の治外法権と化していた。若者達は土曜の夜のロックとドラッグレースに熱中し、また体半分がサイボーグと化した浮浪者がたむろし、日々の糧を得ている、そんな埋め立て地。ある日流れもののサイドカー野郎が浮浪者の仲間入りをし、また、埋め立て地に原発を立てようとするヤクザが暗躍をはじめた...というお話

(ネタバレ防止のための改行)






































































なまずの評価 75点

ロック、スピード、暴動! 荒れ狂う激情を手振れカメラでフィルムに叩き付けた力作

筋らしい筋もないし、落ちらしいオチもありません。ただただ、若者のエネルギーのすべてをフィルムに焼き付けたかのような凄まじい一本です。頭で理解するのではなく、体で実感する映画。観るのではなく、感じる、というのが、正しい鑑賞姿勢と言えるでしょう。

無法地帯の埋立地の過激ロックバンド、そこへふらりとやってきた謎のサイドカー野郎、売春婦及びそのポンビキ、この3組がストーリーをひっぱるのだが、こいつら、鍋にほうりこまれた皮を剥かないクズ野菜のように、まったく筋が交わりません。お湯の中で、野菜がゴロゴロしている感じ。ダシが出るまもなく、そのうち鍋が沸騰しだして、暴動が始まります。つまり、あまり3組の内面に話が及ばないので、素材のうまみが出ておらず、味のない、ただのあついお湯を飲まされている感じです。この点はちょっと不満ですね。

しかし、映画の後半の暴動シーンの迫力は大したものです。たこ部屋に入れられた浮浪者がヤクザに反乱!同時に熱狂の2大バンド合戦(ロッカーズとスターリン)が始まり、それに警察が介入!ロック!暴力!ダンス!爆発!ウオーぶっころしてやるーやっちまえー怒号怒号!手持ちカメラのブレまくりの絵がえんえんと暴徒を写しだし、めちゃくちゃ迫力があります。うわー、どうなっちゃうんだろう、と思っていたら、最後に、ロッカーズの陣内孝則が、なめんなよぉー!、と吠えて、終わり!え?終わり?なんじゃこりゃ!

暴動は収拾がつかないし、謎のサイドカー野郎は謎のままだし、非常にとっちらかった印象です。しかしこの映画の熱さは、ただごとではありません。枝葉を批評して片付けてしまうにはあまりに惜しい。映画の一つの可能性を見せてくれた一本です。

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