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新・なまず日記


2005-04-22 [金]

_ [映画]フェリーニのローマ



フェデリコ・フェリーニ
1972年
イタリア

ローマを巡るノスタルジーをシュールな映像の連続で綴る映画詩。子供のころ、ローマ郊外に住んでいたときのローマの印象、青年になってローマへ出てきた時の思い出、そして現代、ローマについての映画をとっている映画監督としての自分。魔術師フェリーニによる「私にとってのローマ」...

(ネタバレ防止のための改行)






































































なまずの評価 70点

ローマについての私的な印象を強烈な映像で叩きつける、御意見無用な映画

ストーリーは皆無。ただひたすら、ローマに対する愛情を映像に注ぎ込んだような作品。フェリーニお得意のコッテリしたシーンが魅力です。特に、青年フェリーニ(?)がローマに初めて出てきたころのシーンが最高。田舎ものの青年にとって、まさにローマは煮え立ったスープのように混沌とした街。宿になる庶民アパートはまるで化け物屋敷のような混乱ぶり。キャラの立ちまくった住民が次から次へと出てきて収拾がつかない。デブデブにふとった女主人と、妙にナヨナヨして、「日に焼けて眠れないよぉ」といってるマザコンの息子。すごいキャラだが、別にストーリーとはなんの関係もない。

夜になると、市電が通る真横のオープンカフェでモリモリ飯を食う、猥雑にしてパワフルな魅力。「エスカルゴは女のように奥が深いのよ」なんて店のババァが囁く。ようするに、若くてかわいい青年フェリーニにモーションかけてるんだけど、もう、遠慮しときますって感じ。ただひたすら、えんえんと飯くってるシーンが続くけど、これがなんともおもしろい。

飯の次はセックスというわけではないけれど、売春宿のようすもすさまじい。昔のローマの売春ってホントにあんなのだったの?と驚きあきれる下品さ。まるで工場や肉屋のような、ムードもへったくれもない喧騒、怒号。なまずだったら絶対チンポが縮んでしまってセックスどころじゃないよなぁ、イタリヤ人って豪傑だなぁと、変なところで感心してしまいました。

とにかく猥雑でパワフルで混沌としたシーンを「これでもか」と見せつけられて、おなか一杯、な感じになる映画です。ただ、極めて個人的な思い入れで作られてる映画だから、理解不能なシーンも多々あったのも事実。例えばカソリックファッションショー。おもしろいんだけど、長すぎる。たぶん、私には、カソリックに対する特殊な感情が理解できないので、カソリックへの皮肉なんだろうな、とは理解はできるけど、体で感じることができない。それで退屈に感じてしまったんだろうと思うけど。

ラストの、バイクでローマの街を疾走するというシーンも、この猥雑で混沌とした映画をシメるにしては、ちょっとものたりない。え、これで終わり?という気持ちになった。 古代遺跡がそのまま残るローマに、現代の暴力的なマシンをもってくることで、現在と過去との対比をしたいのだろうな、と思うのだけれど、なまずはバイク乗りで、バイクに対して親近感をもっているので、なんか普通のツーリングに見えてしまいました。

監督が楽しんで作っている感じは十分伝わってくるけれど、ちょっと独りよがりだと思う。もっとも、フェリーニにそれをいっちゃあおしまいよ、ってところはあると思うんですけどね。この人の場合、なにを撮ってもフェリーニ、ってところがあるから。やっぱり御意見無用なんですね。

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