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新・なまず日記


2005-04-21 [木]

_ [映画]キル・ビル Vol.2

キル・ビル Vol.2

クエンティン・タランティーノ
2004年
アメリカ

元殺し屋の「花嫁」。組織を抜けて結婚しようとするが、結婚式のリハーサルの時に、組織の連中に、参列者一同を惨殺され、お腹の赤ちゃんまでうばわれて、自らも生死の境をさまようはめになる。4年後にようやく昏睡状態から目覚めた彼女は、世界中に散らばる組織の連中に、復讐を誓い、一人ずつ着々と地獄へ送っていく。残りはボスのビル、唯一人。ビルの屋敷に潜入した彼女を待っていたものは...というお話。

(ネタバレ防止のための改行)






































































なまずの評価 90点

長大な復讐劇の見事な完結編。あっと驚く殺しのテクニック。

表題の「ビルを殺せ」から分かるように、復讐劇なので、基本的にはストーリーは一本道です。それをいかにおもしろく見せるかが問題のこの映画。Vol.1では、有名な青葉屋での派手な立ち回りをもってきましたが、Vol.2では、打って変わって、「花嫁」は、実は一人しか殺しません。しかし、それで物足らないかというと、とんでもない。完結編にふさわしく、Vol.1では謎だった「花嫁」の過去を小出しにしつつ、それらに裏打ちされた納得のいくアクションが展開されていきます。

なんの根拠もなく「花嫁」が超人的な活躍をしても、しらけるだけじゃないですか。Vol.1ではまだ許されたであろう、そんなアクションも、Vol.2まで引っ張ったらさすがに食傷気味。それを、Vol.2では、巧みに過去をバラすことで、必然へと持って行っているわけです。例えば、「花嫁」が生きながら棺桶に入れられ、釘を打たれて、埋葬されてしまうシーン。さぁ、どうやって脱出するのか!?ここで舞台は「花嫁」の修行時代へと移ります。 カンフーマスター 怪しげなカンフーマスターの元、ひたすら板をブチ破る特訓を積む「花嫁」。なるほど、これだけの修行を積めば、棺桶を破ることも可能だろうと思わせる展開です。こういうこと、地味なようですが、実は重要なポイントで、さすが、ストーリーテリングには定評があるタランティーノ監督と、思わず膝をうちました。

監督のお得意技でもある、「無駄話」もタップリ入って飽きさせません。片目の女殺し屋が、 片目の女殺し屋 毒蛇をけしかけて相手を噛ませた後、メモを片手に、毒蛇の毒についてベラベラしゃべるところなど、まったくタランティーノ節とでもいうべき演出で、うれしくなります。本当にこの監督は、 人の「殺し方」がうまい。ある時は主人公を一瞬で。ある時は意味のない無駄話と一緒に。 緊張と弛緩を自在に操るその演出は、今回も冴え渡っています。 死闘の果て

緊張と弛緩と言えば、ラストのビルとの一騎打ちもまったく見逃せません。本当に結末がつくのかな?と思えるほど、タップリとビルの無駄話は続きます。そうやって緊張を溜めに溜めた後、 一瞬で爆発的に 勝負をつける素晴らしさ。初期の頃の座頭市のようなこの演出。長い物語の結末をつけるのに、十分の盛り上がりを与えてくれて、見終わったあと、非常に満足しました。

Vol.1で噴出した日本ヤクザ映画へのオタクっぷりは、今回はカンフー映画に向けられています。おきまりのカンフーシーンになると流れ出す、どっかで聞いたことのある、70年代風音楽。あー、カンフー映画好きなんだなぁと、思わず頬がゆるんでしまう。もちろん、たんにオタクの内輪受け映画にならないところがこの監督の非凡なところです。こういったオマージュをちりばめながら、全体としては噛み応えのある重厚なシナリオで、オタクでない観客も十分に楽しめます。

Vol.1を見ているのなら、見ないと損する映画です。もちろん、Vol.1を見てないのなら、Vol.1を見てから見ないともったいない。もう一度、Vol.1とVol.2で、2本立てで見てみたい、そんな気にさせる映画でした。

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