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新・なまず日記


2005-04-13 [水]

_ [映画]脱獄広島殺人囚



中島貞夫
1974年
日本

ヤクの売人とその情婦を殺した植田(松方弘樹)は、懲役20年の刑をくらう。だが元々粗暴で若い植田にとって、刑務所は20年もおとなしくしていられる所では到底なかった。かくして、植田の脱獄にかける情熱はメラメラと燃え盛るのであった...というお話。

(ネタバレ防止のための改行)






































































なまずの評価 70点

逃げて逃げて逃げまくれ!脱獄こそ我が命!

この映画の原案は、「仁義なき戦い」の広能のモデルである、実在ヤクザ美能さんによるもので、そのせいか、刑務所内の描写は真にせまっております。特に冒頭、雑居房でホモセックスを営む二人があり、掘られ役の方が、ウンコがしたくなってたまらず便所にかけこむというシーンなど、そこまで見せんでもいいんじゃと、ちょっと不快な気分になりました。

しかし本筋はかなり荒唐無稽であります。なにしろこの植田(松方弘樹)、脱獄してはつかまり、また脱獄してはつかまり、さらに裁判中にまた逃げ出し...と、まるでギャグマンガのようなドタバタをくりかえすのです。刑務所側はあまりに学習能力がなさすぎだ。「犬か猫になってもいい、おれはシャバへ出たい」とビデオパッケージに書いてあるとおり、植田の脱獄にかける執念は凄まじく、不可能と思われる脱獄を何度もなしとげます。しかし、逃走中、映画館のトイレで拳銃をかっこつけてふりまわしたり、女郎屋で延長プレイの無理を言ったりと、実にくだらない理由で刑務所に逆戻り。そのたびに懲役の年数が増え続け、さらに自暴自棄になった植田は刑務所内でも殺人暴行を繰り返し、雪だるま式に懲役年数がふくらんでいきます。なんとも悲惨な状況に追い込まれていくのですが、しかし、なんとなく見てると「やれやれもっとやれ」と楽しくなってきてしまう不思議な映画です。

植田は刑務所内で、殺した親分の舎弟に決闘を申し込まれますが、まともに戦っては勝ち目がないと判断し、舎弟が風呂に入っている所を闇討ちします。そのときのセリフ「勝ったら勝ちやァー!」これを頭のてっぺんから出るような甲高い声でシャウトする植田=松方弘樹。シリアスなシーンなのにふきだしてしまいました。

ギラギラとした目で脱獄への執念を燃やす松方の演技はもちろん、刑務所所長にカンカン踊りをさせた豪快な男、末永を演じた梅宮辰夫も魅力的。梅宮得意のエロシーンはないものの、なんでも前向きに考えるポジティブな男はやはりこの人のハマリ役でしょう。タイトルこそおっかないものの内容はちょっと笑えてしまうこの映画、毛色の変わったヤクザ映画を楽しみたいときにはお勧めです。

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