«前の日記(2005-04-05 [火]) 最新 次の日記(2005-04-08 [金])» 編集
RSS: href="http://endoh-namazu.tierra.ne.jp/diary/index.rdf"


半期 四半期 全カテゴリ

新・なまず日記


2005-04-06 [水]

_ [映画]ドーベルマン刑事

ドーベルマン刑事

深作欣二
1977年
日本

石垣島から行方不明者の女性の捜査にやってきた加納刑事(千葉真一)は、女性が既に殺害されていることを知る。しかし、女性の死に疑問を持った加納は、気のいいストリッパーとそのヒモの厄介になりながら、独自の捜査を開始する。やがて加納は、女性の死の影に隠された真実を知ることになる...というお話。

(ネタバレ防止のための改行)






































































なまずの評価 70点

原作は無視!田舎モンのドーベルマンが都会を放浪

武論尊と平松伸二の原作の漫画「ドーベルマン刑事」の映画化、という本作ですが、どこをどう解釈したらこんな映画になるのでしょう。漫画の加納刑事はご覧の通り、


原作

革ジャン革ズボンの、都会派のクールガイですが、千葉真一演じる映画の加納刑事は、こうなります。



映画

エーと、麦わら帽をかぶって黒豚をつれています...なんだそりゃ!

原作付きの映画の場合、どれくらい原作に忠実か、脚色部分はどこか、といった楽しみ方があるものですが、この映画の場合、最初っからそういう勝負を放棄しています。あえて同じところを探せば、

1)主人公の名前が「加納」
2)主人公は刑事で、マグナムをぶっ放す
3)題名「ドーベルマン刑事」

この3つしか同じじゃありません。 あとは完全な別物です。 これで原作料もらえるんだから、武論尊先生よかったですね。

さて、肝心の中身はというと、これがなかなかおもしろいのです。加納役の千葉真一は沖縄弁丸出しの田舎者で、 強チン ストリップ小屋の本番生板ショーで強チン されたりする三枚目ですが、ビルの壁をスパイダーマンのようにロープ一本で滑り降りたり、空手シーンではピーンと伸びた足が相手の顔面にヒットするなど、見事なアクションシーンを見せてくれます。

島の女性失踪の鍵を握る芸能プロの社長に松方弘樹。 松方 元ヤクザのこの男、手持ちの女性歌手が新人賞をとるためだったらなんでもやります。松方お得意のギラギラした目で、女性歌手を「おれのすべて」といってはばかりません。その風貌、気合、にじみ出るオーラは完全にヤクザのそれで、とても堅気の商売とは思えません。つまりいつもの深作監督のヤクザ映画と思ってみていて間違いはない。ラストは加納にマグナムでブっ殺されるのですが、深作監督お得意の、 スローモーション を使った衝撃的なシーンに仕上っていて、ツボははずしていません。

他にも身勝手な正義感を振り回すサイコな警官がいたりして、皆、狂ったようにキャラが立ちまくっています。このキャラの立ち具合が、 「都会に住んでるやつは皆狂ってる」 というこの映画の強引な主張に説得性を与えています。ラストでは、石垣島から失踪した女性もこの都会に染まってしまい、島の娘の面影が 「死んでしまった」 ことを悟った加納は、一人、石垣島へ帰って行きます。なかなかホロリとさせられます。

ところで、劇中、加納は、「ターザン刑事」などと言われていて、題名のドーベルマンはどうなっちゃうんだろう、と思っていたら、 「お前は沖縄じゃぁドーベルマンと言われていたらしいな」 というセリフがポっと出て、あー、やっとタイトルとツジツマがあったと、なんだかほっとしましたよ。それにしても、ドーベルマンという言葉はここしか出てこないので、やっぱり題名は「ターザン刑事」の方がよかったんじゃないかと思います。

[]